「宮廷女官チャングムの誓い」で、水刺間(スラッカン)の人々が国王である中宗(チュンジョン)に差し出していた宮廷料理。その宮廷料理についてお伝えします。
宮廷料理は正式には宮廷韓定食と呼ばれ、5つの色に5つの味が基本とされいて、毎日食べている日常的な料理と、おめでたいことや儀式、お客さんのもてなしなど、特別な宴会に用いられるものの2つあります。
食材には野菜、肉、魚、穀類、果物などが使われ、塩味、甘味、辛味、酸味、苦味の5つの味、緑、黄、赤、白、黒の5つの色を考えて作られます。5つの味と5つの色を使うことによって、栄養のバランスが良い料理が作られるのです。
日本人には辛い料理が苦手な人も多いですが、宮廷韓定食は一般の韓国料理に比べると辛くないので食べやすいと思います。
「宮廷女官チャングムの誓い」で、チャングムがいた水刺間(スラッカン)の人々が、国王(チャングムの時代は中宗・チュンジュン)に差し出す料理は特別に「水(スラ)」、ご飯と一緒の食膳を「水床(スラサン)」と呼びます。
「水床(スラサン)」には調理方法が異なる12種類のおかずを差し出します。その12種類のおかずとは、もやし、青菜、チャングイ(野菜を焼いたもの)、煮付け、汁気のないおかず、塩柄、チャングイ(フライパンで焼いたもの)、ピョンユク(牛肉を煮たもの)、スラン(半熟卵)、刺身、ドウングイ(肉や魚を焼いたもの)です。
それらのおかずに、ご飯が2種類(白米、赤飯)、キムチが3種類(ジョックッチ、ソンソンイ、水キムチ)、鍋料理が2種類(味噌、塩)、タレが3種類(醤油、チョジャン、チョゴチュジャン)、煮物もあります。
「宮廷女官チャングムの誓い」では12種類の水床(スラサン)以外にも、メクゾク(豚の焼肉)、たけのこ、かぼちゃの花の鍋、魚の炙り、三色団子、ジョクピョン(牛の足)、ドギョンジュ(清酒にツツジの花を入れて作ったお酒)、ドファジュ(清酒に桃の花を入れて作ったお酒)、グックファジュ(菊の花ともち米を入れて作ったお酒)など、多くの食事やお酒が登場しました。